夏なんて嫌いです。茹だるような空気に苦しめられ、刺さるような日光を浴びる・・・・・・。それが夏です。嫌いです。四季で1番嫌いです。
きっと、小さい頃の私は夏が好きだったでしょう。学校に行かなくても良いですし、目が覚めれば仮面ライダーの再放送がやっていて、毎日を楽しみにしていました。庭をかけ、親から貰った少額のお小遣いで近所の駄菓子屋に毎日通っていました。
気がついたら社会人(もどき)になっていて、かつてのような活力は無く、ただただ暑さを嘆くだけ。東京のコンクリートジャングルは、まさに熱帯でしたが、長年過ごしてきた地元も蒸し暑くてやっぱり熱帯です。近所の駄菓子屋は廃業して、土地所有者の庭になっていました。
年を重ねるにつれ、人の趣味嗜好は変わるものです。子どもの頃、苦手だったピーマンを大人になったら、好き好んで食べるようになります。成人になりたての頃に、美味しいと感じられなかったビールに美味しさを見いだすようになります。小さいころは平気で触っていられた虫は、気がつくと触れなくなっていました。そういう、些細な人としての変化を、否応なしに感じさせられてしまう季節です。
夏は人を活発にさせます。アウトドアな季節です。「せっかくこんなに良い天気なんだから海に行こう」なんてありがちな話ですが、岐阜県に海はありません。川しかありません。必然、福井あたりまで行くことになるのですが、長い時間車に乗っていることが苦痛な私からすると拷問に近いです。「バーベキューしよう」なんてありがちですが、家の中で焼いたお肉を食べたいです。後片付け面倒くさくないですか。とか良いながら、実際に海に行くとテンション上がってジャブジャブ泳いで、バーベキューの時は肉だけ食べてトンズラをかますのですが。
「せっかく良い天気なんだから外に出よう」じゃなくて、珍しく雨が降った日に「せっかくの雨だ、涼しいから出かけよう」みたいな、夏はそんな季節にならないかなあと思ってます。あ、平日に雨がふると出退勤が面倒くさいので、勘弁してください。