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日記、コンピュータ、備忘録、書きたいことを書きたいままに。気まぐれに更新中。

あるパチ屋に開店前突撃をした時の話

ある日、私はパチンコ屋に開店前突撃をした。開店前突撃とはパチ屋が開店するよりも前にお店に行くことだ。なぜこのようなことをするかと言うと、理由はいろいろあるのだが本筋から逸れるので割愛。簡単に言えば勝つ(収支が+になる)可能性が上がるひとつの方法だからだ。

正しく言えば、私は開店前突撃が出来なかった。整理券は配り終えられ入場が始まろうとしていた。このお店は、開店前から列を作っている客を裏口から入れるようで、私は正面入口の方に足を運んだ。

この様子は実に惨めである。これから仕事に向かうであろうスーツにコートを着た人々が道を通る反面、私は遊技場(という名の賭博場)の前に居るのだ。クズクズアンドクズ、生まれてきてごめんなさいという気持ちになる。帽子を目深にかぶり、社会の鼻摘まみ者として心を無にしていた。

しばらくすると裏口から整理券を持った人達がゾロゾロと入りはじめた。皆、エスカレータを下りスロットに行っていたので、おそらくリセット恩恵やガックンチェックをしているのだろう。そんなことを考えていると、後ろに居た初老の男性が、隣に居た初老の女性にこのように話しかけていた

「このお店は一番最初に開く扉はバラバラなのかなー。今日は裏口が最初なのかー」

「いやーわからんねーどうなんでしょ」

みたいな会話だった。私はお節介の気持ちに駆られてしまい、硬くしていた表情を少し和らげながら

「あの人たちは、あらかじめ並んでいた人達ですねー。基本的に裏口で列の整形をしてますよ」

見やると、意外そうな顔をしながら

「へーそうなの、てっきりバラバラかと思ってた。朝早くから並んでるのかねー」

と返ってきたので

「そうですね。このお店はどうかわかりませんが、結構早くから来てる人はいらっしゃるみたいですよ」

と答えたところ、別の初老の男性が

「俺はー、この前6:30に来たよ(笑)流石に一番だったね(笑)」

と会話にのってきた。「このおっさんすげーな」と思いながら話を聞いていると

「ただ、早く来たからと行って勝てるわけじゃねーからなあ。そりゃ勝てるならどんだけでも早く来るよ(笑)」

ごもっともな話である。すると最初の男性が

「たしかに(笑)早く来て勝てるんだったらどんだけでも早く来るね。ただ、勝てねー時は勝てねーし・・・・・・。そんな早く来て、俺はそこまでしてパチンコやりたないわ(笑)」

といった。私はその一言にとても複雑な気持ちになった。適当に愛想笑いを浮かべて、再び前を向いた。

そうこうしているうちに、整理券組の入場が終わりスタッフが扉の鍵を開けた。その扉からは1番の入場となり、目当ての台に座ることは出来た。だが、気持ちは晴れなかった。

なぜなら「そこまでしてパチンコやりたくないわ(笑)」といっていた男性が・・・・・・。左手にギブスをしていたからだ。この男性の「そこまで」のラインを知りたい・・・・・・。