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古本のたのしみと、たしなみ

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 私は本が好きです。コンテンツは関係無く、本というものが好きです。本が好きというのは、ある種の手段の目的化(情報を伝える・残すという方法が、嗜好の対象になっている)に近しいものを感じますが、やっぱり本が大好きなんだなあと思います。

 最近、中古書籍が100円で販売されているお店が、通院先の近くにあることを知りました。病院の待ち時間が長いこともあって、足繁く通っています。

 ラインナップは雑多そのもので、実用書からマンガ、エッセイなど、とにかく売れるものは売ってやるという感じでしょうか。雑多に並べられた書籍の中からめぼしいものを見つける作業は、宝探しをする子供のような気持ちに浸れます。

「古本屋」には賛否が分かれます。「著者に還元されないから」というのが、定説です。むずかしい話ですね。私は本を書いたことが無いので、執筆者の気持ちは残念ながらわかりません。

 しかし、古本には古本の楽しみがあります。それは「過去に誰かが読んでいた軌跡」をたどることです。

 好みが分かれると思いますが、本に書き込みをする人が居ます(ちなみに私は書き込みをしない派)何気ない本を読んでいた時に、マーキングされているセンテンスやパラグラフを見ると「おっ」という気持ちになります。

 あるいは、ドッグイヤー(本の角を折り入れる行為)や、そのページばかりを見ていたせいか、本が痛んでいる場所が合ったりとか……。

 「この本を以前所有していた人は、いったいどういう意図でここにマーキングをしたのだろうか」そんなストーリーが頭の中で展開されます。「テスト対策?」「気になったから?」「忘れそうだったか?」「大きな気づきがあった?」そんなことを考えながら本を読んでいたら、うっかり本の内容が頭に入らないことだって有るんです。でもいいじゃないですか、それが本の楽しみですよ。

古本評判記

古本評判記

 

 所要時間:20分 文字数:760